また、マグネシウムの玄米食での体内蓄積量は−34mg/日で白米食での+48mg/日に比較すると逆にマグネシウムの損失となるという報告があります。
1920年エドワード・メランビィ(Edward Mellanby;イギリス)は、穀類の多い餌で育てた子犬にくる病が発病することを観察しました。これは、穀類中のフィチン酸がカルシウムの吸収を妨げたためでした。
このように、フィチン酸は、玄米以外にも小麦など、穀類・豆類・などの植物性食品に多く含まれているもので、カルシウム・マグネシウム・鉄などのミネラルと結合して体内への吸収を妨げます。
玄米では、フィチン酸は種皮の内側の糊粉層に多く含まれているので精白すると減少します。ですから白米のほうがフィチン酸が少ないことでミネラルの栄養吸収率が良くなると考えられます。
玄米食でミネラルの吸収が阻害されると、カルシウムは、骨の成分であり、酸・アルカリ度の調節や神経・筋肉の働きにも関係していることから、カルシウム不足は全身に影響をもたらします。
しかも、カルシウムの吸収には、マグネシウムが必要とされていて、フィチン酸によって、マグネシウムの吸収が阻害されると、マグネシウム自体も、細胞でのエネルギー作りの酵素として働き、特に筋肉・心臓に必要な成分ですが、カルシウム不足も助長します。
さらに、フィチン酸による、鉄分の不足は、貧血・動悸・息切れ・脱力感などの症状の原因となります。
したがって、玄米食の場合には、ミネラルの吸収率に対する対策が不可欠といえます。
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